nagoya dream

私は人生から逃げることが多い。

目を瞑って、考えて、でもまとまりがつかないから、とりあえず衝動的に行動してしまう。

 

私が初めて一人暮らしを始めたのは18歳を目前とした17歳の時だ。

愛知県の名古屋市に、17歳の私は向かった。

 

初めての土地、一人暮らし、人。

全てのものが新鮮であり、夢であった。

ここで私は生まれ変わり、出会いがまっている。

 

だけど、そこには夢なんてなかった。

 

空っぽの部屋。

勿論、裕福な家庭ではないから可愛い家具も家電もない。

前の住人が残していった、座ると軋むベッドと、保冷剤の匂いがする冷蔵庫だけ。

マンションもどこか薄暗くて、エレベーターも嫌な感じがした。

『ここが私の居場所になるのか』

 

ホームシックは止まらない。

九州から出た私は、名古屋に友人なんていない。

17歳の私には好奇心もありながら、この寂しさに勝てる力はなかった。

 

でも、不思議なことに1週間もたてば、環境になれた。

良い、悪いは別としても。

仕事もはじめた。

 

振り返れば、全てが思い出であるように、一人暮らしは素晴らしかった。

多感な時期に、自分で生きていく辛さを知れた。

親友もできた、洗練された街で性格が創られた。

見た事もない、景色や物、初めて食べる物もあった。

恋もした。

 

今思えば、夢も沢山転がってた。

また、富や名誉を手にする人も見た。

田舎者の私にはやっぱり都会は夢だ。