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村上春樹とオカマ

私が村上春樹に出会ったのは19歳のころだった。

今まで、名前は聞いたことあったけど知らなかった。

村上春樹村上龍の違いが分からないくらい、興味がなかった。

そんな私は当時、東野圭吾嶽本野ばらを読んでいた。

 

余談ですが、「変身」と聞いたら私は嶽本野ばらを思い出す。

カフカではない。

 

当時、私には好きな人がいた。

いわゆるお酒を飲みながら話す、水商売をしていた時だ。

その人はいつも疲れた様な顔をしているけども、落ち着いていて余裕があり、身体は決して厚くないが人を包み込む優しさ溢れる人だった。

勿論、奥さんがいた。子供はいない。

私が一方的に好きだっただけで、付き合ってもいないし、手を繋いだこともキスをしたこともない。

 

そんな彼とあるときに本の話になった。

確か、そうだったはずだ。

 

そうしたら彼は「俺は村上春樹ノルウェイの森が好きだ」と言った。

 

しばらくして私はそのお店を辞めて、彼とも簡単には会えない距離の場所のところに来てしまった。

 

思い出したように、新しい場所で私はノルウェイの森を読むことになった。

とにかく1週間ほど泣いた。

彼を思い出して泣いた。

好きだった場所を離れなければならなくて泣いた。

 

これが私が初めて読んだ、村上春樹ノルウェイの森である。

 

登場人物の中でも特に緑が好きだ。

「私、あなたのしゃべり方すごく好きよ。」

6年たった今も、この言葉と緑という女性が私の中から消えない。